コーヒーは悪魔の食べ物?

食文化
Macro photography of coffee beans on black background.

ノルウェーにはコーヒードクターと言うものがあります。ドクターと言っても別に医師とは何の関連もありません。いえ「医者いらず」と言ったところでしょうか。それを飲めば頭も体もすっきり、と言いたいらしいです。アイリッシュコーヒーと言うお酒を入れたコーヒーが有名ですが、このコーヒーもそれに似たものです。日本の焼酎を強いコーヒーに入れてそれに砂糖を入れれば出来上がるというような飲み物です。

コーヒーも日本とは違った文化をノルウェーにもたらしたと思います。たいていの家にはいいくつもコーヒーポットやコーヒー椀があります。日常的に使われるものからお客様用まで様々です。コーヒー用の小さなさじも伝統的な模様が美しく刻まれている金銀細工です。そうそう、いつでもほしい時の飲めるよう焚きだしたコーヒーはポットに入れ、テーブルの上に置いてあります。本当、日本のお茶の感覚です。

エチオピアゲン産のコーヒーは、イスラム圏では15世紀にはすでに交易されており、日常的の飲まれていたようです。ヨーロッパにおいては17世紀の初めまでは植物、医学者しか知らなかったようなマイナーな飲み物だったとか。。クリスチャン曰く「イスラム教徒はお酒を飲めない。キリストが自分の血として示したワインは飲めない。その代りとして悪魔から悪魔の飲み物コーヒーが与えられた」

そんな飲み物をキリスト教徒が飲むなんて、と禁止するようローマ教皇に進言したものもいたとか。それが!17世紀初めごろ、教皇自らコーヒーを飲んだところ、その味、香りに魅了されてしまった。で、この教皇はなんとか公然とコーヒーを飲んでも良いことにしようと、コーヒーに洗礼を施してキリスト教徒も飲んでも良い、としたとか。

西田佐知子の♪昔アラブの偉いお坊さんが~♪を思い出してしまいました。本当にコーヒーはアラブに発生し、この歌の通りのようなことがあって世界に広まって行ったという事です。キリスト教と言うものは食べ物、飲み物に関することにまでクリスチャンの生活に徹底的にかかわっていたんだと驚いてしまいます。

のちにベネチアの商人がコーヒー貿易にかかわるようになると、コーヒーはヨーロッパ各地に広まり、その後、ビールやワインに変わる飲み物として飲まれるようになったという事です。

世界で初めてのコーヒー店、本格的なコーヒーハウスができたのは16世紀のトルコ、オスマントルコの都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)でした。トルコのコーヒーってコーヒー椀の底にドロドロしたものが残るけど、そのころの飲み方が今も残っている、ってことになるのでしょうか。世界最古のコーヒー店、その発祥の地、という事を誇っているために頑固に古いコーヒーのいれ方を守っているのでしょうか。

コンスタンティノプルノの後、イスラム教国からキリスト教国のヨーロッパへとコーヒーは浸透し、ココア、紅茶に続く第三の飲み物として国境を越えて行ったようです。コーヒーをヨーロッパに最初にもたらしたのは、これまた、トルコ人。17世紀初頭、イタリアのベネチアに、その後、30年後にはその地にヨーロッパでは初めてカフェ「フローリアン」が誕生しています。

「ヨーロッパ最古のカフェ」と言う言葉につられてこのカフェに行ってみたのを覚えています。随分な繁盛ぶりでした。そうゆっくりは味わえませんでした。確かにコーヒーは美味しかった!その雰囲気が手伝ってそう思えたのでしょうか?

ベネチアの翌年にはローマに、そしてイギリスオックスフォード、ロンドン、続いてパリ、そしてドイツのハンブルグ、また、ウイーンののカフェッピリーナ、パリのカフェブロコップと言うような数世代に和当たってカフェ文化の主役者であった伝統的な店も17世紀に開業した様です。

コーヒーに砂糖やミルクを入れるスタイルもウイーンで生まれました。今では、そんな飲み方なんて当たり前、と思えますがコーヒーと言うもの自体が初めての飲み物だったら何かをプラスして試してみる、と言うのは勇気が要った事だったのでしょうか。

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