朝から何倍も、よくもそれだけ、と言うくらいノルウェー人はコーヒーを飲みます。実際、この国では世界で二番目にコーヒーが消費されている、とかの資料を見かけた時にはなるほどと思いました。
ノルウェーのコーヒーは炊きだして作るのでかなり濃いです。「お腹の中は真っ黒だ」これは朝から何倍も何倍も飲むお兄さんの冗談です。彼らときたら、寝る前、9時だろうが、10時だろうが平気で飲んでいるんだから。寝られない、なんて言っている人にあった事がないです。そんな風に何倍もコーヒーを飲み、その都度、お菓子は欠かせない、と言うんだから太るのは当たり前でしょう。お客様がやって来てもコーヒーを出すのが当り前の国です。戸外が気持ち良い夏の季節なんか、外でコーヒーを片手におしゃべりに花を咲かせています。せっかちな日本人にはできないことではないでしょうか。たいていの家に庭にはテーブルと数個の椅子が置いてあり、コーヒータイムだけでなくバーベキューも楽しんだりします。
美味しい食事は美味しいコーヒーで締めくくるというのが当り前の国です。我が家もこのノルウェーの習慣で食事は終わる、という事になってしまいました。日本の知り合いの多くは食事の後にコーヒーとお菓子などと言うと「もうコーヒーが入る余裕はない、ましてやお菓子なんて」などと言いますが、そんなものですか？慣れるとコーヒー+お菓子で締めくくらないとちゃんとした食事をとった気がしない、と言うものです。我が家は今やそんな習慣が寝付いています。
ノルウェーではそろそろ小腹がすいた、と言ったそんな時間にもコーヒーをというわけでで、無論、お客様があると、またもや、なのでみんな太らないはずがないですよね。私がノルウェーで結婚したころ、バレーも乗馬もしていた夫の姪はすらっとした美少女でしたが、今や貫禄十分の彼女のおばあちゃんやお母さんと同じ体型になってしまっています。だいたい、ノルウェーの人たちも太るのは良くない、という事は分かっているのだけど、今、食べている、それをやめといた方がいい、そんなに食べると、また、体重が増える、と言った感覚がないのかなと思ったりします。「おいしいけど危ない、危ない」・・・これはチョコレートを食べながらの一番上のお姉さんの弁です。
昔は太っていた方がリッチと思われたとか。お義母さんなんかフライパンに残った肉汁をパンの上にのせそれに砂糖を振りかけて食べたりしてましたものね。こっそりだったのでしょうか。台所で一人で食べていましたから。
コーヒーはたいていブラック。砂糖を入れる人はまずいません。だからケーキなどと甘いものが必要、という事なんでしょうか。口の中におもむろにチョコレート一口を入れそれからコーヒーを飲むなんて人もいます。テーブルの上にはかわいいクリーム入れが添えられています。
ところで、我が家でコーヒーを作る時は、換気扇を回さないというルールがあります。家中にコーヒーのいい香りが漂うのが夫はぜいたくだというのです。コーヒーを入れるのはいつも夫の役目でコーヒーの香りで目を覚ますのはやっぱり贅沢なのかなあ、と思ったりします。
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