カレー

食文化

日本ではカレーが国民食なんでしょうか。知り合いの家なんかカの付く火曜日はカレーの日、などと言って実践していましたが、カレーを目の前にして不愉快になる人なんてないのでしょうね。アラブの友人なんて「お腹が痛くなるとカレー料理を食べればいい」などとアラブの民間療法の話をしてくれましたが、カレー好きには嬉しい話でした。

もっともインドの人たちに言わせれば、日本のカレーは彼らのカレー料理とは全く別のものだそうです。カレーと言えば、インド料理と言われるくらいカレーライスはインド料理の代表のように見られているけど、インドにカレーライスと言う料理はないそうです。それどころか、カレーとかカリと言う言葉さえほとんど死語に近いとか、って誰かが言っていました。インド南部のタミル語でカリとは具のことなんだそうです。

イギリスのインド料理レストランで口にしたチキンカレーも、日本のカレー料理とは全く見た目も味も違ったものでした。たっぷり薄めのカレーソースの中で骨付きのチキンの足が煮込まれていました。鍋の中にはバターがたっぷり、250グラム入っているなどと聞きましたよ。それほど多くの油脂、という事で一歩引いた感がありましたが、とにかくカレーという事で夫も私もおいしくいただきました。

カレーライスはコロッケなどと同様に、西洋料理をもとに手が加えられた洋風の日本料理に他ならないとか。そんな話も聞きますますが、カレー文化が日本には出来上がっていると思います。以前、韓国に旅した時に「日本のカレーの店」と看板を揚げたレストランを見つけ何だか嬉しくなったのを思い出します。

ノルウェーの食事はいたってマイルドで一般的にはコショウ以外にピリピリ来る香辛料は彼らの台所にはありません。カレーは粉で売られています。カレーライスなんて彼らは口にしたこと、ないと思います。カレー粉はノルウェーの料理の中でただ人料理にだけ使われます。フィッシュプディングに振りかけて食べるのです。フィッシュプディングのことはまた書きたいと思います。

日本の家庭料理の中でカレーは一番スパイスを使う料理でしょうか。15世紀より以前のカレー料理は現在のカレーほど辛くなかったとか。カレーが辛くなったのは16世紀にポルトガル人たちが唐辛子をインドに移植してからという事のようです。辛い食べ物のことを英語でhot と言いますが、hotな土地で hotな食べ物を食べる、と言うのは体にいいようです。

それにしても日本人ほどカレーの好きな国民はいないんじゃあないでしょうか。経済的で調理は簡単、しかも美味しいし。ラーメンとともに不動の国民食なんでしょうね。

ところで、この日本の代表的な洋食であるカレーライスを広めたのは海軍なのだそうです。曜日の感覚が鈍りがちな洋上で、曜日間隔を失わないよう必ず毎週金曜日にカレーライスが出されたのだそうです。兵役をやめた海軍兵士たちがカレーを一般に広めたとか。海軍のカレーはその味が忘れられないほどおいしかったのでしょうか。文明開化と同時に料理の国際化が始まり、隣国の食べ物、中国料理店も出店されるようになったけれど、中国料理店は西洋料理店よりも日本人になじまなかった。理由は油脂。中国料理は脂っこく日本人はなかなかなじめなかったようです。今や日本人の国民食と言えるラーメン屋餃子でさえ本格的に普及したのは戦後になってからだそうです。餃子のことを英語ではdumplingと言います。夫はこの食べ物が大好きで海外で中華料理店を見つけるとすぐにこれを食べたい、と言います。無論、本場中国でこの料理を食べるのは大いなる楽しみです。日本の一般的なものとは違って沢山の種類があり、中身も様々・・・松の実が入っているのが私は大好きです。

ところで、中国ではお正月などには家族総出で餃子を作り、自分の年の数だけその餃子を食べるのが吉と言われているとかですよ。

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