春巻きにジャム ノルウェーにも春巻きがやって来た、しかし、驚くべき食べ方で!

食文化

二十数年前のお話です。二番目のお姉さんの所に出かけた時に春巻きが供されました。春巻きなんて日本では日常的に食べているもの?しかし、その時の私にはそれは驚きの食事でした。私が初めてヨーロッパに行った頃、48年くらい前になるでしょうか、ノルウェーにはそんなものありませんでした。夫は口にしたことはなかったのではと思います。デンマークではあのハムレットの舞台として有名なお城の近くのカフェテリアでさえそれを食べる事が出来た時代でした。やはりデンマークは開けている、進んでいると思ったものでした。ノルウェーの人たちって食べ物には保守的です。自分たちの食事が一番、それ以外のものを知ろうともしないし、食べたいとも思わないし・・・そういう人たちなのです。それでも、少しずつ世界の料理をノルウェーも受け入れているようです。そしてついに春巻きがテーブルの上に…!

しかしですね、春巻きの上にはイチゴジャムが鎮座していました!ノルウェーの人たちは何が何でも甘いものがなくてはならないようです。食卓の上にはいつもジャムがあります。ディナーのお皿、ジャガイモの隣にはいつもジャムが添えてあります。

やはりジャム文化がそこにはある、と考えざるを得ないようです。美しいデザインのジャム用スプーンも売られているんですよ。

春巻きをお姉さんの所で出されたときのジャムには「あらら」だけではすみませんでした。明らかにノルウェー料理ではないし、中華の春巻きの隣にジャム、たいへんな邪道だと思ったのです。苦笑いをしました。そしてブラジル産のビーフが手に入ったからとお姉さんの旦那さんがステーキ料理をしてくれたのだけど、それに添えてある玉ねぎの炒め物(ノルウェーでは肉料理、ステーキにもハンバーグにもこの炒め物は必須のようです)にもジャムが添えてありました。「どうして?どうして?」と大きな疑問がわいてきましたが、日本のある友人が言ったことを思い出しました。「日本の食べ物にはもともと砂糖が入っているから、それ以上ンテーブルの上で砂糖を供する必要がない」と。なるほどと一応納得しましたが、それにしても甘いものが好きな人たちです。海外で購入したチョコレートの甘さを考えると、彼らがどれだけ甘いものが好きか分かると思います。

日本のお菓子など比ではないというエピソードを一つ。日本のお菓子を食べてもらおうと娘が選んでチョコパイを持って行きました。しかし、ノルウェーのチョコレートの甘さ、美味しさを知っている人たちに日本のチョコレートは「何だこれは?」にしかなりませんでした。お義母さんは「おいしい」と言いながらまわりの人に必死で「おいしいだろう?おいしいだろう?おいしいと言いなさい」と脅しをかけていましたが。

甘さがごちそうだった時代があります。決して過去の話ではないのでしょうか。旨みは甘味、現在でも甘いものこそごちそうだとしている国や人々は多いのか、と思います。日本の食事って普段の料理にも隠し味か、それ以上に砂糖を使った味付けをしていますものね。食事の味付けに絶対に砂糖を使うのはタイ料理。中国料理にも入っているのでしょうか。でも、砂糖はあくまでも調味料として使われているのであって砂糖の甘さそのものが料理に要求されているのではないですよね。砂糖の消費は文明のバロメーターである、とまで言われているんだから、日常何とも思わず口にしている砂糖も贅沢品なのでしょうか。

所で春巻きのことは英語でspring rollと言いますそのままですね。

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