トナカイはメスにも角がある

ノルウェー雑記

トナカイを見られたことはありますか?ノルウェーで始めてトナカイを見たのは夏のことでしたが、オスロから西へ1時間ばかり車で行ったところのフィヨルドの近くでした。放し飼いではなく観光用だったみたいです。夏でしたが、あれも万年雪だったのでしょうか平らったい丘の上のあちこちに雪が見えました。やっぱりノルウェーだわ、と思ったものでした。

さて、トナカイの話に戻ります。鹿の仲間で枝分かれした角を持っているのはオスだけ。角というものはオスためにのシンボルであり、ライバルや敵と戦う時には武器です。しかし、例外があるのです。トナカイにはメスにも角があります。トナカイの角は毎年生え変わります。秋から冬にかけて角が自然と落ち、雌の角は出産後に落ちるのです。冬になると食べ物がなくなり、トナカイは雪を除きコケ類や地衣類を食べて飢えをしのぎます。しかし、冬にはオスは角は落ちているのです。トナカイのメスが角を持っているのは雪の中から餌を掘り出すために必要であり、オスの角が冬に落ちるのは餌のない冬の間、雌に優先的に食べさせるためではないかと言う説があります。ノルウェーには他にヘラジカもいるのですが、時に森の中でこれらの動物たちの落ちた角を見出すことがあります。ノルウェーの人々はこれらの角を家の屋根の飾りとして置いたりします。オスロで住んでいましたが、そこでの家でも居間にヘラジカの角を飾っていました。

北極圏内北緯15度の地に半年住んだことがあるのですが、その時、夫がトナカイの角をいくつかラップの人たちから買ったことがありました。家の飾り付け、そして日本の実家に送るためだったのですが、実は送ったものはトナカイ農家の人たちがトナカイの頭を打ち殺害したもので、まだ頭の皮膚やらがついたままだったのです。そのまま送ったもので日本には到着したものの実家には届くこともなく税関で没収されてしまいました。若いってことは何も考えず送ってしまって・・・いけませんね。焼却処分になったようです。トナカイの毛皮も日本に送っていたのですが、日本の湿気ではうまく保存ができないようでした(たぶん、日本のお店で売っているようなものではなく日本態様に処理されていなかったためでしょう)。この毛皮って氷の上に敷き、寝っ転がっても冷たく感じないと聞いています。北ノルウェーに行くとトナカイの皮からできた様々なものが売られています。サーメの人たちにとっては元々は必需品だったものですが。

サーメの地に半年住んだことは別の記事でお話ししたこともあるのですが、そこでは何回もトナカイの群れを見ました。そこからオスロに帰る時は地元の人たちがお土産だと様々なものをくれました。一つはトナカイの骨付きもも肉でした。高級品です!お義母さんの所でオーブン料理(日本の家庭用オーブンでは大きすぎて調理できないと思います)をしてもらって皆で美味しくいただきました。ちょっと臭みがあります。まあ、その肉に慣れていないから、という事もあると思います。他に、ノルウェーではヘラジカの肉も口にすることもできます。どちらもソーセージやハムにもなって売られていますが、他の肉製品に比べ高いです。ノルウェーにいらっっしゃることがあったら試してみてください!

ところで、ラップ人てサーメの人たちのことを英語で言うとそうです。彼らはサーメと自分たちのことを呼んでいます。エスキモーの人たちがそう呼ばれたくなくてイヌイットと呼んでいるのと同じです。近頃ではジプシーもロマって呼んでいますものね。ローマのロマ・・・やっやこしいです。ローマにはロマの人たち多いです。

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