日本食は世界でも珍しい庶民が発展させた料理

フランスで、イタリア、中国料理など世界で有名な料理は、そのほとんどが宮廷料理や貴族階級が食べるために造られてきた料理。日本料理として世界に知られているのもののほとんどが庶民により庶民のための庶民料理。今や世界で愛される日本料理を作り出していったのは貴族でも武士でもない庶民だったという事です。

農村や漁村の人々であったり、商人で会った田。日本料理に大きな影響を与えた茶道の千利休はもともと魚屋であり、倉庫業を営んでいた商人であったそうです。食事を娯楽、快楽として楽しむためには、ある程度以上の知性や感性、豊かさが必要で、知性と言う点では江戸時代の農民、商人、職人の文盲率は1～3割であったとも言われるくらい優れたものであったようです。これは同時代のヨーロッパ諸国や中国の文盲率が8～9割であったことから考えると経緯的ですよね。人間、字が読めれべ、本を読む。江戸時代1643年には「料理物語」と言う本が出版されたのを始め、数多くの料理本が出版されるようになっていきました。

私がノルウェーに住んでいた時、現地の雑誌に書いてありましたが、隣の国、スエーデンの文盲率は当時１５％だったとか（ノルウェー人気質としてその国のことをあまり良く言いたくないのでそんな記事を載せていたという事でしょうか）。今の世、ヨーロッパにおいてそんな状態であったという事を考えると、日本は素晴らしい（素晴らしかったと過去の話にはしたくないですね）と思います。

1782年にはいかに豆腐を楽しむか、と言う「豆腐百珍」と言う本がベストセラーになったとか。もうそのころ、そういう楽しみ方があったなんて日本人はすごいなあ、と思いませんか。そして、こういった本を読んでいたのは支配階級の武士ではなく、むしろ庶民階級の人々が自分たちの食事をいかに豊かにするかと言う他の下のために読んでいたというのです。日本人がどれほどの余裕を持ち楽しく暮らしていたか垣間見えますよね。

世界三大美食の国はフランス、中国、そしてトルコとどこかの本に載っていましたが、どうなんでしょうか？中国は何でも食べる国だから、トルコはあらゆる食材が世界から集まってきていた（地理的に今でもそうです。以前は、歴史的には世界の中心だったこともある国だから）からでしょう。日本も同じように食材には大いに恵まれていますものね。だから食文化が発展する要因があったわけです。日本人の口は肥えていると思います。

ドイツの友人なんてそんなに前でもない時に言っていました「手に入るものを食べなければならないから」と。