ひりひりしたお話 horse-raddish とchilli pepper

食文化

私が20歳のころ、フランスからお客様がやって来て2週間ほど滞在していきました。

彼女を交えたある日の昼食のお話です。レストランでおそばを食べることになりました。彼女がおそばを食べるのはその時が初めてでした。

おそばを目の前にしておそばとワサビのコントラストが美しく、ワサビが実においしそうに見えたのでしょうか。Marie,そのお客様はパクっとワサビの塊を口に中に入れてしまったのです。止める暇もなく、彼女が叫んだのは”Fire!”でした。

今もワサビを見るたびにその時のことを思い出します。ワサビとは英語でhorse-raddishと言いますが、海外ではあまり日常的に口にできるものでもないようです。一度だけ、イギリスのレストランでビーフステーキの隣にそれがあった事があります。

もう一つヒリヒリしたお話です。日本人の味覚はうるさいほどおいしいものを知っていると思います。

これはノルウェーで友人一家とイタリアン・レストランにいった時のお話です。総勢7人でした。彼らはパスタを、私たちはピザを注文しました。

ピザと言えば、チリソースがつきものですよね。それがないと物足りない、と言うものでしょう。ウエートレスにお願いしたのですが、それが一体何か分かってもらえませんでした。

「赤いパウダー」をとお願いしたら、やっと赤いものを持って来てくれました。なるほど赤いことにはまちがいなかったのですが、パプリカパウダーでした。仕方ないから、それをピザにかけて食べました。ノルウェーの友人一家の子供たちは、私が「ピリピリしたソース」をという事でお願いしていたもので、パプリカパウダーを食べている私に向かって”Hot?”と聞いてきました。

ノルウェー人の味覚はマイルドです。彼らの台所で、まあ、ピリピリするものと言えば胡椒だけでしょうか。

ワサビのお話で思い出したことがあります。数年前に静岡に旅しました。実際には娘に富士山を身近に見せてやりたかったのですが、天気があまり良くなく景色は思ったほど・・・でした。その代り二人で大喜びしたのがワサビアイスクリームでした。アイスクリームに直にすりおろしたワサビを「そんなにたくさん大丈夫?」などと言いながら恐る恐る口にしたら、ものすごくおいしくてそれ以来静岡に滞在中、毎日食べました。

何で日本全国にワサビアイスクリームは販売されていないのでしょうか?江戸時代、静岡でワサビが生産され始めた時、徳川家康はそれを門外不出としたそうですが、ワサビアイスクリームもですか?

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