town, village, cityの中で一番の都会は?

英語の語源

シェークスピアの物語の中に『ハムレット』がありますが、ハムレットHamletて「寒村」と言う意味があります。今日はそれより大きな自治体のお話です。英米では自治体を人口と自治組織の規模によって大きい順にcity town villageと区別しています。我々の感覚もcityが一番都会的ととらえていると思います。

ところが言語学的に言うと、日本語の都会に一番近いのがtownのようです。歴史的に言うとcityはラテン語から英語に取り入れられた言葉で、人口が集中しているところを指して言います。そして、単語としては townの方が古いのです。そのためでしょうか、文学作品などの中で都会を指して言う言葉としては、cityよりも townの方が多く使われているようです。

ずっと以前、我が家にフランス人のお客さんがやって来た時、映画の話になって Dickensの”『二都物語』を” The Tale of Two Towns”と言ったら two citiesと直されたのを思い出します。映画のタイトルが townの方を使っていたのでそういったのですが、彼女はパリやロンドンがtownのはずがない、と思ったのでしょう。

例えば、cityについて話していても、 He is not in town.(彼は街(都会)にいない)とか、He is out of town.(彼は街から(都会から)は出ている)と言う風に townを使います。繁華街だって downtownと言うし、 cityと言うと普通一番大きな自治体を考えるし、 villageと言えば、人口の少ない村を想像するというものです。

しかし、どんな小さい村でも人がいなくなったところは ghost townと言い、 ghost villageとは言わないんですよね。

townの語源は tunにあり「壁、柵、仕切り」を意味します。街と言う意味に転じた由来は、次第に「柵で覆われた場所」と言う意味として使うようになり、そこから「柵で覆った人間の集落」になった と言われています。

現在では「ある程度の規模で人間が住んでいる場所」、つまり、自治体と市長や町長が存在し、家やビルがたくさん詰まっているところです。それより小さい土地に関しては village村を使う傾向にあるようです。

village村の語源は、この言葉の中に含まれている villaであり、ラテン語で田舎の家に当たります。それをもともとかってのフランス語で郊外、あるいは田舎で家々が立ち並ぶコミュニティ villageへと変化していったのが由来とされます。どれだけ小さい規模であっても、 villageとして存在することはできますが、イギリスではvillageと呼ぶには、村人の生活の一部とされる教会があることが前提とされています。

town とvillageのお話なのに、シェイクスピアの Hamletの絵柄(お芝居の宣伝のためのポスターでしょうか)を付けました。

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