「豆腐を愚弄するものは国を亡ぼす」と言った豆腐好き

食文化

豆腐は中国で生まれた食べ物。紀元前2世紀ごろ、つまり漢の武帝の時に、絵南劉硫安と言う人が発明したと言われます。劉安は絵南王方華術と言う本を書き残し、その中で豆腐の製法について触れているらしいが、この本が現存していないので、はっきりしたことは分からないようです。ともあれ、豆腐は2000年以上もの年月、愛され続けられた食べ物というわけです。

この豆腐がいつ頃、日本へ伝えられたのか定かではないようですが、奈良時代に中国に留学した層がその製法を伝えたとされています。日本に伝えられた当時は、禅僧をはじめとする寺院の僧たちの間で貴重なたんぱく源としてもてはやされたようです。寺院の多い京都で豆腐が名物とされるのはこのためでしょうか。私も京都に行っては湯豆腐を楽しんできているものの一人です。

江戸時代には『豆腐百珍』と言う料理書が出版されています。このころには、すでに庶民の間でも安くて栄養があって食べやすい食べ物として普及していたようです。明治維新の立役者の一人、大村益次郎こと村田蔵六は、大の豆腐好きで「豆腐を愚弄するものは国を亡ぼす」と言ったと言われていわれています。周防の片田舎にこんな過激な愛好者がいた!という事は、豆腐の人気は全国区だったに違いないですよね。

なお、豆腐と言う呼び名は中国名を日本語読みにしたもの。だが、白壁に似ているため「おかべ」とも呼ばれているそうです。

中国ではものすごく臭い豆腐もあります。テーブルからそれが消えてもまだにおいが残っているような代物です。味は、通にとっては美味しいのでしょうか、私は一口試しただけでした。

豆腐と言うものは海外でもよく知られているようです。ロンドンの小さなお店でも売っていました。

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