fish pudding

食文化

ノルウェーは日本と同じように漁業国です。魚の加工品もたくさん食されています。中でも私のお気に入りはフィッシュプディングです。

この食べ物は、ちくわやかまぼこに似通っていますが、少し形状が違い、そしてもっと柔らかめです。7,8cmの円形の真っ白なソーセージみたいな丸いのもあり、これを5㎜位の薄切りにしてパンの上にサラダ菜、ゆで卵、それにキャビアを載せると、見た目もきれいなオープンサンドの出来上がりです。

フィッシュボールと言うものもあります。これは缶詰めで売られているものの方が多いです。名前は全く違うけれど、フィッシュプディングを横長の形のお団子にしたようなものです。これも同様にちくわやかまぼこに比べると柔らかめです。ホワイトソースを添え、カレー粉を振りかけて食べるのが一般的だと思います。

ノルウェーの料理の中で、カレー粉を使うのは後にも先にもこの料理だけだと思います。ノルウェーにもちゃんとカレー料理が存在するという事に少々驚きました。昔は、世界をまたにかけたバイキング、今は船乗りたちがエキゾティックな香辛料として南の国から持ち帰り試してみたのが始まりなんでしょう。

さて、プディングですが、puddingの原型は古英語の pudueで、元来は腫物を指す語であったとされます。これが中英語でソーセージの一種を指す podinやフランス料理の腸詰めブーダン poudingとなり、今日の多様な蒸し料理のジャンルを指すpuddingとなり、後にゼラチンやコーンスターチで固めるタイプの料理もその形状からプディングと呼ばれるようになったのです。別の説として、ゲール諸語で動物の内臓を指す言葉( poten, podin, put,pud等)が語源であり、それを使った腸詰め料理であるプディング pudding、またはポディング pondingが16世紀前後にスコットランドからイングランドにバッグ・プディングの名で伝わり、現在の形になったというものもあります。

お菓子としてのプディングの始まりは12世紀のプラム・プディングが始まり。そして、ヴィクトリア朝の時代にかけて多様化していきました。ハイティーの文化に合わせて動物性の油脂を使った重いプディングも多くなりました。ブラックプ・ディングのような初期のプディングは動物の腸を使っていたため、狩猟シーズンしか作る事が出来ず簡単に作れる料理でもなかったようです。その後、腸の代わりに布で包む方法が考案され、プディングは広く普及していきました。家にかまどを持っていない下層階級の人々にとっては、少ない燃料費で作られる上に栄養価の高い合理的な食品だったのです。ライスプディング、ブレッド&バタープディング、ブラックプディング、ヨークシャープディング、チョコレートプディング、メイン料理からデザートまでその種類は多岐にわたります。また、プディングと言う言葉は、イギリスにおいては日本のプディング様にデザートの同義語としても用いられています

コメント

タイトルとURLをコピーしました